死ぬ直前まで借金の心配をしていた父
亡父は昔から借金癖がありました。
もちろん、好き好んで借金したわけではないと思いますが、私が物心つくまでは借金取りが何回も家に押しかけてきたことがあったそうです。
自分だけ他の女性の下に逃げていて借金取りの相手は母がしていたという筋金入りのツワモノでした。
父親が親族から嫌われていた理由もよくわかります。
しかし父親も年をとり大人しくなったものだと親戚一同思っていたようです。
遅く生まれた私は父から可愛がられていたので、あまり嫌な部分はみせられていませんでした。
全ては亡くなってからわかりました。
亡くなった父親のスケジュール表には返済の予定がキッチリと書き込まれていました。
癌で亡くなる直前まで借金のことを考えていたと思うと、なんと悲しい人生だったのだろうと思います。
亡くなる2年ほど前から父に頼まれ毎月13万円の実家の住宅ローンは私が返済しているくらいでしたのでお金を持っているとは思っていませんでした。
父親の借金は約400万円ほどでした。
生命保険が500万円ありましたが父親の借金の返済と葬儀等のゴタゴタで全てなくなりました。
正直なところ±0ならばまだましだと思いました。
結果的にはそれくらいで済んだわけですが、かなり危険な状態であったことは父親の遺品を整理してからわかりました。
私が学生のころの父親は年利40%というとんでもない高利の借金をしていました。
借金した理由は結局わかりません。しかし当時先物取引をしていたと父の会社の人から聞いたことがあるので投資の失敗なのかもしれません。
またゴルフ場の会員権を一つもっていたのでその借金だったの可能性もあります。
その一年後くらいに高利と同金額を知り合いから借りています。
知り合いから借りたお金で高利を返済したんだろうと思います。
その後そのゴルフ会員権を1400万円で売却したという書類が出てきました。
しかし、まだ父の借金は残っていました。
そのほとんどが無くなったのは母が亡くなったときの保険金が入ったときです。
そして最後の残りカスが私が父親の保険金で払った400万円でした。
後にして思えば本当に綱渡りのような生活をしていたのです。
私の綱渡りの生活は父親譲りということです。
父親が毎晩酒を飲んでいた気持ちがよくわかります。
それも見事に遺伝しました。
現在の私の状況を父親のせいにする気はありませんが、似ているものだと思います。